インドの絵本 ”The Deep”

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the deep Mayur Vaeyda and Tushar Vayeda

インドの小さな出版社タラブックスによって作られた本

表紙のマリンブルーがとてもきれいで、見ているだけで

海の世界に引き込まれる。

 

作者のマユールとトゥシャール兄弟はインドの友人でもあり

尊敬するアーティスト。

 

ワルリ族はインド西部のムンバイの近くに住む先住民族

牛糞を下地にした布や壁に米粉を使って細かい点描で

村の生活や儀式を描いたワルリ画で知られている。

 

インドにいた時に友人から小屋をつくるプロジェクトが

あるけれど一緒にどうかなと誘われて行ったのが、ワルリ族の

村、ガンジャード村。

 

基礎から作る小屋づくりは想像以上に大変。

土や石を運んだり、朝から牛小屋を回ってまだホヤホヤの

あたたかい牛糞を集めて水と捏ねて壁を塗ったり。

でも大変だった以上に楽しく、何よりもマユールやトゥシャールなど

ワルリの若者と一緒に作業をするのは楽しかった。

 

食事も薪から火を起こして、煙にモクモクされながら

ご飯をつくり、夜は輪になって踊る村のお祭りに参加したり

1日があっという間に過ぎて行った日々。

 

便利な生活とは真逆の、でもギューっと濃い村の生活。

この本はマユールとトゥシャールが日本のアーティストインレジデンス

のプログラムで日本の粟島に半年滞在した中で、海を通じて世界が

奥深くで繋がっていることをワルリ画で描いた作品

彼らの故郷、インドのガンジャード村の川から日本の粟島、そして海

 

いつかタラブックスで絵本を作れたらと話していた彼らの夢が

実現したことの嬉しさ

 

コロナでなかなかインドに遊びに行かれないけれど

またいつか再会できたらいいなと心から思う。